▼テニスキャンプ (2005年8月1日〜12日) 8月1日、テニスキャンプのオープニングセレモニーは、プレスカンファレンスも兼ね、キャンプ会場で行われました。メディア関係者も多く集まり、UNEPや、コーチ陣 (ケニア・ジンバブエ・ブルンジ・アメリカ・日本)、スポンサー代表が登壇し、このキャンプの趣旨と抱負を語りました。キャンプ中も度々TV局が取材に訪れ、ニュースに取り上げられているのを目にしました。実にこのプログラムに期待を寄せているかがうかがえます。 なお、今回のキャンプには、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ジンバブエ、ブルンジ、 スーダン、ルワンダなど様々な出身の4歳から16歳までの子ども達117名が参加しました。 母国語であるスワヒリ語のみの子ども以外にフランス語を話す子ども(ブルンジ共和国 から参加したグループ)も参加していたので、コーチが通訳しながら行ったり、 スワヒリ語・英語・フランス語が堪能な子どもに間に入ってもらったり、簡単な日本語 の挨拶も飛び交うなどコミュニケーションもバラエティーに富んで面白いものでした。 キャンプでは、子ども達を年齢、レベルを考慮して7つのグループに分け、朝7時から夕方17時半まで時間割が組まれています。テニスの練習だけではなく、エアロビクスやジムでのトレーニング、フィールドで他のスポーツに挑戦したり、VTRで戦術の勉強や、環境問題や社会的な問題 について議論する時間まで様々なカリキュラムが用意されています。 キャンプ2週目からは、UNEPから毎日講師の先生が訪れ、特にアフリカで抱えている健康や環境問題について勉強する時間が設けられました。年齢別のグループに分かれ ディスカッションが行われたり、GSAの推進する「エコフラッグ・ムーブメント」を参考に、スポーツを楽しく行うために、いかに地球環境が大切かという事を教わります。 また、ケニアの現役ナショナルクリケット選手やサッカーの元ケニア代表コーチが会場 を訪れ、スポーツを通じて得た経験などを子ども達に話しました。 アスリートの話は、子ども達にとって大変刺激になったようです。 ▼サッカーキャンプ (2005年8月10日〜12日) 8月10日から3日間、 Sadili Oval Sports Clubから車で5分ほど離れたキベラ地区にあるグラウンドでサッカーキャンプが行われました。こちらのキャンプは、ケニアのサッカーナショナルチームコーチ協力の下、レッスンとトーナメントが行われ、300人以上の子ども達が集まりました。 このキベラという地区は、ケニア最大のスラムといわれている場所で、経済的な生活レベルが高くない低所得者層が集団で生活している場所でもあります。そこにはビニールシートで囲いをしているだけの住居や土壁式やトタン張りの仮設住宅と思われるような住宅が所狭しと建ち並んでいます。キベラスラムの公衆衛生は劣悪といえるほどで、トイレ設備が未整備であったり、溝には排水、汚水が流れ、決められたゴミ捨て場もなく周辺住民も平気でごみを廃棄しており、風が吹くとほこりや悪臭がします。ごみの他に糞尿も散乱され、マラリアなどの感染症の主要原因となっている ようで、未だ公衆衛生に関する情報と意識がまだ根付いていないように思われます。 このような状況の中、裸足でプレーをすると、傷口から病気をもらうこともありえます。 キャンプ中、子ども達には、「スポーツが好きになれば、プレイするエリアを汚さないでしょう」、「自分たちのフィールドをきれいにしよう」、「病気になってしまったら好きなスポーツができなくなってしまうよ」などと、スポーツを通して環境問題に意識を持ってもらうよう取り組みました。 ▼キスム テニス&サッカーキャンプ (2005年8月18日〜20日) 8月18日から3日間、ナイロビより長距離バスで7時間ほど移動し、次のキャンプ地、 「キスム」(ケニア西部に位置し、ナイロビ、モンバサに次ぐ大都市)でスポーツキャンプが開催されました。キスムも比較的低所得地帯といわれる地域です。 こちらのキャンプには、テニスとサッカー併せて80名以上の子ども達が参加しました。 会場は小学校のグラウンドを使用しました。校庭は広く、その脇に2面のテニスコートがあり、しっかりと草が刈られ、ローラーをかけコート整備がされていました。 テニスコートに目をやると、ネットを張るポールは既製のものではなく、ちょうどよい高さの丸太を利用していました。さらに、丸太に刺してあるクギをネットに引っ掛けて 張っています。また、センターベルトはつっかえ棒を立てていました。 テニスは、ラケット、ボールが必要なものの(人数が多いと道具をシェアして使用)、コートは 手作り、ネットを張るオリジナルの器具を作り対応したり、またはポールを別のもので代用したりと、決して限られた人だけのスポーツでないことが実感できる光景でした。 いくらでも工夫すればチャレンジすることが出来ることを実感しました。 ▼まとめにかえて 今年もDream Campsに参加し、コーチや子ども達と触れ合い最も感じたことは、スポーツの重要性です。今回のキャンプ参加者には国内の情勢が非常に不安定な所から参加している 子どももいました。つい最近まで内戦が絶えず、政権が発足しても各地で戦闘行為を継続しており、多くの一般市民が犠牲になっているという悲しい話も耳にしました。生活が苦しいと笑顔がない、会話がなくなったりしてしまいますが、どんなに貧しいといわれている場所へ行っても、布切れを巻いてボールを作って戯れている姿はみんな笑顔です。 スポーツとは身体的に有効なだけではありません。スポーツは限られた人のものではない ように、情勢が不安定な場所や、貧しい場所であれ、また設備が整ったスポーツ施設だけ ではなく裏道や野原でも行われており、貧しくてもプレイする喜びや希望、幸せをもたらす というような精神的エネルギーや、人間にとって必要なエッセンスをスポーツ活動によって 得ることが出来ると実感しています。 スポーツは誰もができ、頭を使うもの。会話、仲間ができる。スポーツをやる所には人が集まり、スポーツする場に出て行く、というように人の動きが生まれます。地域活性のためにもスポーツプログラムの重要性を実感しました。 スポーツがいかに社会で大きな役割を持っているか、社会づくりにとって重要な要素の一つであると認識し、安全な環境で安全なスポーツを行えるように、スポーツの大切さ、地球環境の大切さを一人でも多くの子ども達に伝えられればと思い活動にあたりました。 触れ合った子どもたちはみなポジティブでした。 モノの援助は確かに必要ではあるのかもしれませんが、自らのイニシアティブで生活を変えていこうとする思いを喚起する教育 プログラムが定期的に行なわれることが急務のような気がします。 ゆえに、GSAとUNEPが推進するプロジェクト「Dream Camps」が重要なプログラムであるということを肌で感じました。 今回、日本からも同プロジェクトに対して多くのサポートを得ることができ、現地にサッカー用具やテニス用具を寄贈することができました。中古でもまだ十分使用できるものは、GSAのネットワークを通じて回収され、今後も継続して海外に寄贈させていただきます。 今後もケニアで見られた有用な結果から、他の開発途上国での開催を目指して各団体との 連携を強め活動を続けていきます。 GSA Dream Campsはエコフラッグ基金によって支えられているプログラムです。 今後も皆様からのご支援、ご協力をいただけますと幸いです。 ■スポーツ用品寄贈先 今回ご提供いただきましたスポーツ用品は、ナイロビキャンプ会場となりましたSadili Oval Sports Club(隣接する学校、MALEZI SCHOOLで管理 )とキスムキャンプ会場のSt.アンドリュー小学校に寄贈させていただきました。 (ラケット50本、テニスボール300球、テニス・サッカーシューズ15足、ストリング・ グリップテープ等アクセサリー、サッカーユニフォーム80着、サッカーボール30個、 エコダマ10個) 現地の子ども達は、スポーツ用品を大切に使っています。スポーツ用品を大事にすることは、現地の子ども達にとって当たり前のことに感じているように思えます。 これは、おそらくスポーツするのに不自由しない、私たちが忘れかけていることでは ないでしょうか。ラケットが壊れてしまったら次のものに買い替える余裕もなく、テニスができなくなってしまうことになります。そのような現状からテニスを楽しむために道具を大切にしています。 例えば、スポーツ用具を別の用途に使おうとしたり、乱暴に扱おうとすると、先生が注意する前に、仲間がすぐに注意する習慣がここには根付いていました。