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価値観から利益を紡ぐ

2008年8月29日‐ビジネスの目的が利益の最大化と、それを株主に提供することであれば、持続可能性という価値観は、実際はビジネスにおいてどこにどのように当てはまるでしょうか?このことについてはパタゴニア社が熟知しているかもしれません。アウトドア用品で知られるパタゴニアはその答えを既に見つけているようです。同社の創業40年の歴史こそ、強い価値観が良いビジネスに繋がることを証明しており、その収益と忠実な顧客層がさらにこれを裏付けています。

今日、パタゴニアの社是には、「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」とあります。しかし、このような考え方は創業当時からあった訳ではありません。同社が長年の経験で培った英知の核心がこの社是なのです。

パタゴニアが創業を開始してから間もなく、同社でトップセールスを誇る製品のピトン*が各地で山の岩肌を傷つけていることが判明しました。創業者のイヴォン・シュイナード氏はこの状況を無視せず、ピトンの生産から撤退するという勇気ある決断を下し、そのかわりにハンマーで打ち込まずに手でねじ込むことのできるアルミ製のチョック**の生産へと転換を図りました。加えて、パタゴニアはこのチョックの発売と同時に、「クリーン・クライミング」の倫理を推進することにしたのです。驚いたことにチョックの売り上げは、間もなくかつてのピトンの売り上げを追い抜きました。
*ロッククライミングの際に岩場に打ち込む鉄製のくさび
**ロープの受け台となる金具

同社の環境イニシアチブ・特別メディア部門のリック・リッジウェイ副社長の言葉を借りれば、この時に学んだことは非常にシンプルなものでした。
「正しい行いを実践しなさい。それがビジネスにとっても良いことなのだから。」

次に価値観を基準とした大きな決断を迫られたのが、環境に深刻な影響を与えていた綿の量産でした。1994年、創業者のイヴォン氏はパタゴニアのウェアー類に用いる綿を100%オーガニックコットンに換えていく方針を打ち出しました。この転換は1996年までに完了しましたが、その道程は決して平坦なものではありませんでした。この社命が出された当時、会社のニーズを満たす量のオーガニックコットンが世界的に生産されていなかったのです。イヴォン氏のスタッフは海外の綿生産者にこの新しい手法を導入するように説得を始めました。

パタゴニアのウェアー類の収益はすぐさま下落したものの、翌年には収支が合い始め、その次の年にはイヴォン氏がこの計画を立ち上げる前の収益を上回っていました。この大々的な転換に会社は幾年も費やしました。しかし、パタゴニアは自社製品の生産が依然として環境に大きな影響を及ぼしていることを認識していました。そこで同社が持続可能性に配慮して打ち立てた次なる目標、それは完全にリサイクル可能なウェアー類の開発です。ウェアー類をクローズドループサイクルで循環させた場合、未使用の繊維類を用いた場合と比べ、エネルギー消費を70%、Co2排出を75%削減することが可能できます。これが輸送の際に掛かるエネルギーまで見越しているのは言うまでもありません。

これらのイニシアチブのトップには、パタゴニアにしては“最も直感的でない”ビジネス決定の一つとして、売り上げの1%を厳密に選び抜いた環境NPOに寄付するという方針があります。一見これが会社の収益に繋がることはあり得ないようですが、実は繋がるのです。パタゴニアのこれまでの成功は、消費者に優れた製品やサービスのみならず、良い行いをしている会社をサポートしたいと考えている、ということを示しています。健全な倫理がブランドに対する顧客の忠誠心を育み、それが利益として還元されるのです。

シュイナード氏は言います。「最終的な目標は利益ではないのです。禅僧の師ならおそらくこう言うでしょう。“全てにおいて正しいことを行った時にこそ利益が生まれる”とね。」

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■ソース(要約版):Rocky Mountain Institute

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