グリーン・オリンピック、環境にやさしい競技施設の結果は・・・
2008年7月14日‐「グリーン・オリンピック」を掲げる北京オリンピックですが、主要な競技が行われる会場では果たしてそのテーマを全うできているのでしょうか?
「結果はまちまち」と専門家は言います。北京オリンピックが打ち立てた省エネ施設の新基準に合った最良の会場がある一方、その他の競技場は環境と持続可能性を度外視したものも少なくありません。
結局のところ、オリンピック主催者によって設置されたガイドラインは数少なく、建設に関する大部分は請負業者に委ねられており、主催者が業者に対して一定の条件を課すのは難しいのが現状です。
「意図は常に肯定的なものだが、業者に一定の基準を課さなければ、彼らに作業上の近道を許してしまいかねない」国連環境計画(UNEP)のスポーツと環境プログラム責任者、セオドア・オーベン氏は言います。
「多くの施設を建てているのは請負業者。作業基準に強制力がなければ、彼らは必要のない部分に手間をかけ、コストを削りたい部分では手間を省くこともあり得る。」
鉄骨を格子状に絡ませた構造で“鳥の巣”として親しまれている北京国立競技場、隣接する立体的な四角形の水泳競技場“ウォーターキューブ”は世界で最も冒険的な新建築の一つです。
しかし、それらは本当に環境にやさしいのでしょうか?
‐鋼鉄の巣‐
「確かに象徴的な構造ですよね。でも環境にやさしいかと問われれば、それは違います」グリーン建築コンサルタント『Eco Tech International』のロバート・ワトソンCEOは“鳥の巣”についてこのように述べました。
特殊な下水処理システムを配した非水洗型トイレ、130キロワットの電力生産が可能な屋上ソーラーパネルを配備した“鳥の巣”は、年間58,000㎥の雨水を貯水することができます。
しかし、ワトソン氏は、“鳥の巣”の建築資材に42,000トンもの鋼鉄が使用されている点に問題であると指摘します。「通常のスタジアムと比べて10倍の鋼鉄を用いれば、環境に対する配慮も台無しです。あの骨組みの90%は立っているだけで、骨組みそのもの以外の何も支えていませんから」ワトソン氏はグリーン建築の評価システム『LEED』(エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ)の発案者でもあります。
その点、“ウォーターキューブ”は「幾分まとも」というのが専門家の意見です。総工費1億4,300万ドル、巨大な石鹸の泡をほうふつとさせる楽しいルックスの“ウォーターキューブ”はETFEとよばれる耐久プラスチックでできており、施設内に自然光を取り入れることができます。またETFEは絶縁体としてはガラスより優れています。
「超軽量ですから、結果的に建物全体の構造負荷をかなり軽減することが可能です」設計に協力したエンジニアリング会社『Arup』社・持続可能建築部門のハイコ・シェパーズ部長はこのように述べました。
施設内に取り込まれた日光はプールを温めるのに利用され、プール施設内の電力消費を30%削減します。
シェパーズ氏によれば、この建物の成功点の一つは、環境への配慮が後付けではなく最初からデザインに反映されている点です。
「持続可能性でよくあるのは、それを後付けにしてしまうと、計画を実行している過程で持続可能性への取り組みが、打ち消されてしまうリスクが生じることです」シェパーズ氏はこのように述べました。
いくつかの機会が損なわれた一方で、環境活動家達は成功している部分については急速に発展する中国の将来的な模範となることを願っています。
「これらの施設における新しい試みや過ちに学ぶことができるということは、今後に活かされることになるでしょう。むろん中国最高の建造物であれば、他の地域の一流建築にも引けを取ることはないはずです」ワトソン氏はこのように語りました。(要約版)
リンク ■ロイター通信(日本語)
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